潜水の練習というと、とにかく長く潜れるようになることを目標にしがちですが、水泳の上達という視点で見ると、先に整えるべきなのは息の我慢強さよりも、けのび姿勢、壁を蹴った直後の形、そして水中で無駄に力まない呼気の使い方です。
特にプールで行う潜水は、フリーダイビングのように長く息を止める練習と、競泳で使うアンダーウォーターやターン後の潜水局面とが混同されやすいため、目的を曖昧にしたまま本数だけ増やすと、伸びにくいだけでなく安全面でも判断を誤りやすくなります。
水泳練習メニューとして潜水を取り入れるなら、どこまで潜れるかを競うより、どの姿勢でどれだけスムーズに進めるかを確認しながら、短い反復で質を積み上げるほうが、初心者にも中級者にも再現性が高く、泳ぎ全体の効率改善にもつながります。
ここでは、潜水が苦しい人でも取り組みやすい基本の考え方、初心者向けの具体的な水泳練習メニュー、伸びない原因の切り分け方、競泳につながる使い方、安全に続けるための注意点までを順序立ててまとめ、今日の練習にそのまま落とし込みやすい形で整理していきます。
潜水の水泳練習メニューは、距離より姿勢と呼気を整えることが先
潜水を伸ばしたい人ほど、まずは長い距離を目指す前に、水の抵抗を減らす姿勢と、苦しくなりにくい呼気のコントロールを身につける必要があります。
水中では少し頭が上がるだけでも脚が沈み、脚が沈めばキックの推進力が前ではなく上下に逃げるため、酸素を余計に使っているのに進まないという悪循環が起こりやすくなります。
そのため、潜水の水泳練習メニューは、けのび、壁蹴り、細い呼気、キック幅、浮き上がりの順に分けて整え、毎回同じ形でできることを優先したほうが、結果として距離も速さも伸びやすくなります。
けのびを整える
潜水の土台はキック力ではなく、まず壁を蹴った直後に一直線の形を作れているかどうかで決まり、ここが崩れているとその後に何を足しても抵抗が増えて前に進みにくくなります。
頭を持ち上げずに耳の横へ腕をしっかり寄せ、手のひらを重ねて肩をすくめすぎない形を作ると、胸からつま先までのラインが長くなり、同じ壁蹴りでも進み方がかなり安定します。
初心者は強く蹴ることに意識が向きやすいですが、強い壁蹴りは姿勢が乱れていると失速も速くなるため、最初の段階では五割から七割程度の力で蹴り、まっすぐ滑れる感覚を先に覚えるほうが上達は早いです。
練習では一回ごとに何メートル進んだかよりも、水面に波を立てずに伸びられたか、腰が反らなかったか、足先まで長く保てたかを確認し、成功した形を繰り返し再現することが大切です。
けのびが安定してくると、同じ潜水でも苦しさが減り、後でドルフィンキックやターン後の浮き上がりを足したときにもフォームが崩れにくくなるので、遠回りに見えて最も効果の高い基本練習になります。
息は止め込まず細く吐く
潜水が苦しい人の多くは、息を完全に止めて我慢する意識が強すぎるため、肩や首に力が入り、体幹まで硬くなって水の中でうまく伸びられなくなっています。
水泳の潜水では、壁を蹴ったら口や鼻から細かく泡を出し続け、顔まわりの緊張を抜きながら進むほうが、浮き上がった瞬間に次の呼吸へつなげやすく、泳ぎ全体のテンポも崩れません。
吐きすぎると途中で空気が足りなくなるため、勢いよく出すのではなく、苦しくなる直前まで少しずつ流す感覚を覚えることが重要で、最初はけのびだけで泡の量を一定にする練習から始めると身につきやすいです。
この呼気の感覚はクロールのローリング呼吸やバタフライの前呼吸にもつながるので、潜水だけのための練習と考えず、水面上の泳ぎを楽にする基礎づくりとして位置づけると継続しやすくなります。
苦しさに耐えることを成果と考えるのではなく、泡の量が安定しているか、顔が力んでいないか、浮上後に慌てて大きく吸わなくて済んでいるかを基準にすると、練習の質が急に上がります。
壁蹴りで初速を作る
潜水の伸びが悪いときはキック不足を疑いがちですが、実際には水中で最も大きな初速を作るのは壁蹴りであり、ここが弱いと後からキックを重ねてもスピードを取り戻しにくくなります。
壁に足を置く位置が高すぎると腰が折れやすく、低すぎると蹴り出しの角度が深くなりすぎるので、膝が軽く曲がり、蹴った瞬間に頭からつま先まで一直線になれる位置を毎回そろえることが大切です。
強く蹴ることだけを狙うと、つま先が開いたり、上半身が遅れてバラけたりしやすいため、蹴る直前に手の重なり、視線、腹圧の三つを先に作り、それから足で押し出す順番を固定すると失敗が減ります。
ターン後の潜水が短い人は、壁を蹴った時点ですでに勢いを無駄にしていることが多いので、キック回数を増やす前に、五本連続で同じ深さと同じ角度へ出られるかを確認すると改善点が見えやすくなります。
壁蹴りが安定すれば、潜水の距離を無理に追わなくても自然に進むようになり、その先に続く浮き上がりや最初の数ストロークまで余裕が生まれるため、練習全体の効率が一段上がります。
キック幅を大きくしすぎない
潜水で使うドルフィンキックは大きく打ったほうが進みそうに見えますが、実際には振れ幅が大きすぎると体幹が上下にぶれ、水の抵抗が増えて前への推進が逃げやすくなります。
意識したいのは、胸から始まるうねりを腰、太もも、足先へ順番に伝えることであり、膝だけで強く蹴る動きや、足先だけを急いで振る動きは、一瞬頑張った感覚があっても長くは伸びません。
初心者はまず、壁を蹴って一拍置き、小さめのドルフィンキックを三回だけ入れる練習にすると、初速を殺さずにキックを足す感覚がつかみやすく、無駄な力みも減らしやすくなります。
フィンを使える環境なら、小さな振れ幅でも進む感覚を先に覚えるのは有効ですが、道具の反発に頼りすぎると裸足で動きが大きくなりやすいため、あくまでフォーム確認として短時間にとどめるのが無難です。
水面が大きく揺れるほど激しく打つより、見た目は地味でもスッと前へ滑るキックのほうが競泳のアンダーウォーターにもつながりやすいので、音と波の少なさを上達の目安にしてみてください。
浮き上がりを急がない
潜水が苦しいと感じる人ほど、壁を蹴ってすぐに浮上しようとしてしまいますが、早すぎる浮き上がりはせっかく作った初速を捨てることになり、泳ぎ出しの一かき目も重くなりやすいです。
一方で、限界まで我慢して深く長く潜るのも別の失敗であり、速度が落ちてから無理にキックを続けると、浮上の動作が遅れ、呼吸も乱れて次のストローク全体が崩れやすくなります。
理想は、壁蹴りの勢いが残っていて、なおかつ次の泳ぎへ自然に移れる位置で浮き上がることで、その判断を安定させるには、回数ごとに感覚で決めるより、キック数や秒数の目安を固定するほうが有効です。
たとえば、壁蹴りから小さく四回打って浮き上がる、または一拍伸びて三回打ったら最初の一かきへ入るというように、自分の再現しやすいパターンを決めると、毎回の潜水の質がそろいやすくなります。
浮き上がりは潜水の終点ではなく、水面泳へきれいに接続する中継点だと考えると、深く長く潜ることだけに意識が偏らず、競技でも実用的な練習へ変わっていきます。
本数より再現性を優先する
潜水練習で伸び悩む人は、一本だけうまくいった感覚を追って本数を増やしがちですが、再現できない成功は練習メニューとして定着しにくく、疲労が増えるほどフォームはむしろ崩れやすくなります。
水泳練習メニューに組み込むなら、一本ごとに姿勢、泡、キック数、浮上位置のどれか一つを確認し、三本続けて同じ質でできたら次へ進むという考え方にしたほうが、感覚が整理されて上達が安定します。
特に初心者は、二十五メートル全部を潜るような目標を最初から置くより、五メートル、七メートル、十メートルと短く区切り、短距離で成功率を高めるほうが、苦しさに追われずに良いフォームを覚えられます。
また、潜水は脚と体幹への負担が大きいため、失敗が続いた状態で無理に繰り返すと、後半ほど壁蹴りやラインが崩れ、悪い形を覚える原因にもなるので、質が落ちたら切り上げる判断も重要です。
上達の実感は本数の多さより、狙った形を何回連続で再現できたかに表れやすいため、練習ノートには距離だけでなく、成功率やキック数も一緒に残しておくと次回のメニュー調整がしやすくなります。
苦しさを競わない
潜水を練習するうえで最も避けたいのは、誰が一番長く潜れるかを競う発想であり、水泳の技術練習を息止め勝負に変えてしまうと、フォームも安全管理も一気に甘くなります。
水の中での苦しさは気合いで処理するものではなく、姿勢が悪いのか、呼気が乱れているのか、壁蹴りが弱いのかを知らせるサインとして受け止めたほうが、改善につながる情報を拾いやすくなります。
特に過呼吸をしてから潜る、反復で連続して長く潜る、監視が薄い状態で一人で試すといった行為は、練習効率の面でも安全面でもメリットが薄く、上達の近道にはなりません。
良い潜水練習は、苦しさがゼロになることではなく、無理のない範囲で同じ形を保ち、水面に出たあともすぐ次のメニューへ移れる余裕を残せている状態を目指すものです。
潜水が上達しているかを確かめたいときは、距離の記録だけでなく、浮上後に呼吸が乱れていないか、肩が上がっていないか、次の泳ぎが軽く始められるかを基準にすると、危険な方向へ走りにくくなります。
初心者でも回しやすい潜水の水泳練習メニュー

潜水を練習したいけれど、何本くらい入れればよいかわからない人は、通常の泳ぎの合間に短く差し込めるメニューから始めると、呼吸の乱れや疲労の蓄積を抑えながら継続しやすくなります。
大切なのは、潜水だけを長時間まとめて行うのではなく、けのび、短いアンダーウォーター、通常泳、休息を組み合わせて、良い感覚のまま終えられる量に抑えることです。
ここでは、初心者でも実践しやすい基礎セット、苦手別の補助ドリル、週二回で回しやすい進め方を紹介するので、自分の泳力や練習時間に合わせて必要な部分だけ切り出して使ってください。
15分で組める基礎セット
まずは練習の前半に短時間で入れられる基礎セットを用意し、疲れていない状態で姿勢と呼気を整えるほうが、潜水の良い形を覚えやすくなります。
下のメニューは二十五メートルプールを想定した一例ですが、距離を欲張らず、一本ごとの質を確認しやすい構成にしているので、初心者でも取り入れやすいです。
| 順番 | 内容 | 本数 | 狙い |
|---|---|---|---|
| 1 | けのび | 4本 | 一直線を作る |
| 2 | けのび+細い呼気 | 4本 | 顔の力みを抜く |
| 3 | 壁蹴り+小さなドルフィン3回 | 4本 | 初速を殺さない |
| 4 | 潜水後に軽いスイム | 4本 | 浮上をつなげる |
休息は一本ごとにしっかり取り、息が整う前に次へ進まないようにすると、後半でも同じ形を維持しやすく、練習の意味が薄れにくくなります。
セットの最後に楽なクロールや背泳ぎを挟んで水面泳へ戻すと、潜水の感覚が単発で終わらず、実際の水泳動作につながる形で身につきやすくなります。
苦手別の補助ドリル
潜水が苦手でも、原因は人によって違うため、ただ同じことを繰り返すより、自分のつまずき方に合った補助ドリルを差し込んだほうが改善は早くなります。
次のように課題を分けて考えると、何を優先すべきかが見えやすくなり、通常練習の中にも無理なく組み込みやすくなります。
- すぐ浮く人:けのびで胸を締める意識を確認する
- 苦しくなる人:細い泡を一定に出す練習を増やす
- 進まない人:壁蹴りの足位置を毎回そろえる
- 脚が疲れる人:キック数を減らして初速を生かす
- 浮上で乱れる人:潜水後に一かきだけ丁寧に行う
苦手別ドリルは長くやる必要はなく、通常のメイン練習に入る前に二本から四本だけ差し込む程度でも、感覚の修正としては十分役に立ちます。
一度に全部直そうとすると迷いやすいので、その日のテーマは一つに絞り、たとえば今日は壁蹴り、次回は呼気というように順番を決めると、上達の手応えを得やすくなります。
週2回で進める組み立て方
潜水練習は毎回大量に行う必要はなく、週二回でも前半に短く入れて継続すれば、姿勢と感覚は十分に育ちやすく、ほかの泳法練習との両立もしやすくなります。
一回目はけのび、壁蹴り、細い呼気といった基礎中心にし、二回目はそこへ小さなドルフィンキックと浮き上がりを足す形にすると、疲労の少ない状態で新しい要素を整理しやすくなります。
どちらの日も、潜水そのものの総量は短く抑え、最後に軽いスイムでつなげることで、潜水が単独の特殊練習ではなく、泳ぎ全体の中の一部として定着しやすくなります。
慣れてきたら距離を急に伸ばすのではなく、同じ距離でキック数を一回減らす、浮上後の一かきを滑らかにする、同じ質で三本続けるといった改善目標へ切り替えると、停滞しにくくなります。
潜水が伸びない人に多い停滞パターン
潜水の練習を続けているのに伸びない場合は、努力量が足りないというより、どこで抵抗が増え、どこで酸素を無駄に使っているかの見極めができていないことが多いです。
特に水泳では、見た目には少しのズレでも水の抵抗が大きく変わるため、本人は頑張っているつもりでも、実際には頑張るほど進まない形になっているケースが珍しくありません。
ここでは、潜水が止まりやすい代表的な停滞パターンを三つに分けて整理し、どこを直せば練習メニューが生きるのかを判断しやすくします。
体が折れて進まない
潜水で失速する人に最も多いのが、壁を蹴った直後やキックを入れた瞬間に腰が反り、頭と胸が上がってしまう形で、この崩れは本人が気づきにくいわりに抵抗が大きくなりやすいです。
原因は、腕をしっかり締められていない、腹圧が抜けている、キックを強く打とうとして膝だけが前へ出ているなど複数ありますが、共通しているのは一直線の時間が短いことです。
改善したいときは、潜水距離を減らしてでも、壁蹴りから一拍伸びる時間を確保し、そこで頭、胸、腰、かかとの位置関係がそろっているかを確認すると、修正ポイントがはっきりします。
動画を撮れる環境なら横から確認するとわかりやすいですが、難しい場合でも、水面に大きな波が出ていないか、浮上後に脚が沈んでいないかを見るだけで、体が折れているかどうかの目安になります。
呼吸の作り方で失速する
潜水が苦手な人は、息が続かないこと自体を問題だと思いがちですが、実際にはその前段階で呼吸の準備が雑になっており、力みや不安で無駄に酸素を使っていることが少なくありません。
潜る前の呼吸は大げさに何度も吸い直すのではなく、普段どおりの呼吸から落ち着いて一回吸い、壁を蹴ったら細く吐く流れにしたほうが、姿勢も心拍も乱れにくくなります。
- 吸いすぎて肩が上がる
- 潜る前に何度も速く呼吸する
- 壁蹴り直後に完全停止で我慢する
- 浮上後に大きく慌てて吸う
- 苦しいのに本数を止めない
こうしたサインがあるときは、潜水距離ではなく呼吸動作そのものを練習テーマに変え、けのびだけで一定の泡を出せるか、浮上後の最初の呼吸が静かにできるかを確認するほうが改善しやすいです。
呼吸の作り方が整うと、同じ距離でも苦しさが減り、キックや浮上の技術練習へ意識を回せるようになるため、結果的に潜水全体の伸びが加速しやすくなります。
距離だけ追って質が崩れる
潜水練習でありがちな失敗は、昨日より一メートルでも長くという発想に寄りすぎて、姿勢や浮上の質が崩れているのに記録だけを追ってしまうことです。
距離目標そのものが悪いわけではありませんが、質が伴わないまま伸ばした距離は再現性が低く、競泳のスタートやターンにもつながりにくいため、練習効果が限定されやすくなります。
| 見方 | 距離だけ重視 | 質も重視 |
|---|---|---|
| 基準 | 何メートル潜れたか | 同じ形で何本できたか |
| 壁蹴り | 毎回ばらつく | 角度と深さが安定する |
| 呼気 | 我慢が中心 | 細く一定に吐ける |
| 浮上後 | 呼吸が乱れる | 次の泳ぎへつながる |
練習ノートには最長距離だけでなく、キック数、浮上位置、苦しさの度合い、成功率を一緒に記録すると、数日後に見返したときに質の変化がわかりやすくなります。
距離を追いたくなった日は、最後の一本だけ試すようにし、通常メニューの大半は質の確認に使うほうが、上達と安全の両方を両立しやすくなります。
競泳につながる潜水の使い方

水泳練習メニューとして潜水を取り入れる価値が高いのは、単に長く潜るためではなく、スタート後やターン後の速い局面を効率よく使えるようになるからです。
水面下は水面付近より抵抗を受けにくく、姿勢が整っていればアンダーウォーターでスピードを保ちやすいため、競泳でも潜水局面の質がレース全体の流れを左右します。
ただし、競泳の潜水は長ければよいわけではなく、スタートやターンで得た初速を生かしながら、決められた範囲で最適な浮上へつなげることが重要になります。
スタート直後を急がない
飛び込みや壁蹴りの直後は勢いが最もある時間なので、そこで慌ててキックを打ち始めると、かえってラインが乱れ、せっかくの初速を自分で削ってしまうことがあります。
スタート直後はまず短く伸びる時間を作り、そのあとに小さく速いドルフィンキックを入れるほうが、体の芯がぶれずに前へ進みやすく、浮き上がりの位置もそろえやすくなります。
初心者はスタートの勢いに負けて深く入りすぎることも多いので、最初から強い飛び込みで潜水を磨こうとするより、軽いスタートや壁蹴りから同じ流れを作れるか確認したほうが安全で上達も安定します。
スタート後の潜水は派手に見える動きほど成功とは限らず、静かなラインで速さを保てているかが重要なので、泡の量や波立ちの少なさを観察すると自分の質を判断しやすくなります。
ターン後の動作をそろえる
ターン後の潜水は泳いでいる流れの中で行うため、スタートより難しく感じやすいですが、毎回の手順を固定すれば、潜水局面のばらつきはかなり減らせます。
特に壁に触れてから足を置く位置、身体を丸める大きさ、壁を押す角度の三つが安定すると、ターン後の潜水は急に楽になり、浮き上がりからの一かき目も軽くなりやすいです。
| 要素 | そろえたいポイント | 崩れたときの影響 |
|---|---|---|
| 足位置 | 蹴った瞬間に一直線 | 腰が折れて失速する |
| 押す角度 | 深すぎず浅すぎない | 浮上が早すぎるか遅すぎる |
| 手の形 | 重ねて耳を挟む | 上半身がばらつく |
| キック開始 | 一拍伸びてから入る | 初速を殺しやすい |
ターン後は呼吸が乱れやすいぶん、苦しくなったから深く潜るのではなく、決めたキック数で浮上して泳ぎへ戻る流れを先に作ったほうが、レースやメインセットでも再現しやすくなります。
通常練習では、ターンだけを切り出して五本から八本ほど行い、毎回同じ深さに出られるかを確かめると、無駄な我慢を減らしながら実戦向きの潜水が身につきます。
15mまでの流れを固定する
競泳では自由形、背泳ぎ、バタフライの各区間で水面下にいられるのは十五メートルまでなので、潜水を伸ばす練習も、ただ長く潜るより、その範囲で最も速くつなげる形を作ることが大切です。
そのためには、壁蹴りから浮上までを感覚任せにせず、どの順番で何をするかを固定し、毎回ほぼ同じ流れでできるようにすると、レーススピードでも崩れにくくなります。
- 壁を蹴る前に手の重なりを作る
- 蹴った直後に短く伸びる
- 小さなドルフィンキックを入れる
- 決めた位置で浮上を始める
- 最初の一かきまでを丁寧につなぐ
十五メートルを目安にすることで、必要以上に深く長く潜る発想を抑えやすくなり、練習が競技のルールや実戦感覚から外れにくくなるのも大きな利点です。
まずは毎回同じキック数で同じ位置へ出ることを目標にし、そのうえで水面に出た直後の一かきが軽くなっているかを確かめると、潜水が速さにつながっているかを判断しやすくなります。
安全に続けるための考え方
潜水は水泳の技術向上に役立つ一方で、呼吸を扱う練習だからこそ、通常のキックやスイム以上に安全面のルールを明確にしておく必要があります。
特に、過呼吸をしてから潜ること、限界まで距離を競うこと、監視が薄い状態で反復することは、技術練習としての利点が少ないわりに危険性が高くなりやすいです。
安全を確保したうえで練習の質を高めるには、無理をしないことを単なる慎重さではなく、良いフォームを守るための前提条件として理解しておくことが重要です。
過呼吸を練習にしない
潜る前に何度も深く速く呼吸をすると、長く潜れそうな気分になりやすいですが、これは技術の上達ではなく身体の警告サインを鈍らせる方向へ働くため、水泳練習メニューとして取り入れるべきではありません。
潜水の前は、普段どおりの呼吸で落ち着き、必要以上に吸い込みすぎず、一回整えてから始めるほうが、姿勢も心拍も安定しやすく、練習としての再現性も高くなります。
苦しさを減らしたいなら、呼吸回数を増やすのではなく、けのびのライン、壁蹴りの角度、呼気の細さ、浮上のタイミングを見直したほうが効果的で、泳ぎ全体の改善にもつながります。
潜水がうまい人ほど、潜る前に大げさな準備をしていないことが多いので、派手な呼吸法を探すより、静かに整えて静かに始める習慣を作るほうが、長く見て確実に伸びやすいです。
一人練習を避ける
潜水は短い距離でも体調や疲労の影響を受けやすいため、誰にも見られていない状態で試すのは避け、必ず指導者や一緒に練習する人の目が届く環境で行うことが基本です。
特に反復本数が増えるメニューや、ターン後の潜水を連続で行うセットは、自分では平気だと思っても判断が鈍りやすいので、周囲の確認が取れる状況で実施したほうが安全です。
- 一人だけで長く潜らない
- きつい日は本数を減らす
- 監視が薄い時間帯を避ける
- 異変があればすぐ中止する
- 練習相手とテーマを共有する
誰かと一緒に行う利点は安全面だけではなく、浮上位置や姿勢の乱れを外から見てもらえるので、自分では気づきにくい改善点を見つけやすいところにもあります。
潜水を習慣にするほど慣れが出てきますが、慣れている日にこそルールを崩しやすいので、練習環境の確認を毎回のメニューの一部として扱う意識が大切です。
子どもの練習は管理を細かくする
子どもの潜水練習では、上達より先に安全管理が優先されるため、長く潜ることを成功体験にせず、短く単発で質の良い動きを覚える方向へ導くことが重要です。
年齢が低いほど、自分の苦しさを正確に言葉で伝えにくかったり、友だちに負けたくない気持ちで無理をしやすかったりするので、大人側が細かくルールを決めておく必要があります。
| 見る項目 | 管理の考え方 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 目的 | 姿勢と水慣れを中心にする | 距離勝負にする |
| 本数 | 短く区切って様子を見る | 連続反復を増やす |
| 呼吸 | 自然に整えて一回で始める | 何度も深呼吸させる |
| 環境 | 指導者の近くで行う | 目の届きにくい場所で行う |
子どもにとって潜水は遊びの延長になりやすいからこそ、練習では楽しさを残しつつも、競争させない、無理をさせない、合図があればすぐやめるという線引きを明確にしておくことが欠かせません。
結果として、短く安全に行ったほうがフォームも覚えやすく、将来ターンやアンダーウォーターへ発展させる土台にもなりやすいので、急いで長く潜らせる必要はまったくありません。
潜水の水泳練習メニューを伸ばすなら、短く正確な反復を積み重ねる
潜水を伸ばしたいときに本当に必要なのは、限界まで我慢する強さより、けのびで一直線を作ること、壁蹴りの初速を無駄にしないこと、そして細く安定した呼気で力みを減らすことであり、ここが整うと苦しさも距離も自然に変わっていきます。
初心者の水泳練習メニューとしては、短い基礎セットを前半に入れ、けのび、壁蹴り、小さなドルフィンキック、浮き上がりを順番に整理しながら、一本ごとの再現性を高める進め方が最も取り組みやすく、通常泳とのつながりも作りやすいです。
また、潜水が伸びない原因は、努力不足ではなく、体が折れる、呼吸の作り方が乱れる、距離だけを追って質が崩れるといった形の問題であることが多いため、何が苦しさを生んでいるのかを切り分けて練習テーマを一つずつ修正していく視点が欠かせません。
競泳につながる潜水を目指す場合でも、安全に続けることが大前提なので、過呼吸をしない、一人で行わない、子どもの練習は特に管理を細かくするという基本を守りながら、短く正確な反復を積み重ねて、自分の泳ぎに合った潜水の形を育てていきましょう。



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