クロールを始めたばかりの人がいちばん迷いやすいのは、何をどの順番で練習すればよいのかが見えず、息継ぎだけを頑張ったり、25mを無理に泳ごうとしてフォームを崩したりしてしまうことです。
実際には、クロールは水に慣れること、水平姿勢をつくること、キックで体を安定させること、腕の動きと呼吸を分けて覚えることを積み上げるほど上達しやすく、最初から全部を同時に完成させようとしないほうが結果として早く泳げるようになります。
JSSの解説でも姿勢、キック、ストローク、呼吸の順に練習を進める流れが示されており、文部科学省の学校体育資料でも手足の動きに呼吸を合わせて続けて長く泳ぐことが重視されているため、初心者ほど段階練習との相性が良いと考えられます。
この記事では、初心者向けのクロール練習メニューを順番どおりに組み立てつつ、沈む、息継ぎで止まる、キックで疲れるといった典型的な失敗の直し方、週ごとの進め方、25m達成までの現実的な目安まで、プールでそのまま試しやすい形に落とし込んで紹介します。
初心者向けクロール練習メニューは基礎から順番に積み上げる
初心者向けのクロール練習メニューは、呼吸、姿勢、キック、ストローク、息継ぎの順に分解してから、最後に連続した泳ぎへ戻す組み方が最も失敗しにくいです。
いきなり完成形を目指すと、顔を上げる、腕を急いで回す、キックが大きくなるという代償動作が増え、本人は頑張っているのに前へ進まず、苦しさだけが強くなる流れに入りやすくなります。
反対に、一つの課題だけに集中する短いドリルを積み重ねると、今日は何ができれば前進なのかが明確になり、距離ではなく動きの質で上達を実感しやすくなるため、初心者でも練習を継続しやすくなります。
水に顔をつけて吐く感覚を先に固める
クロール初心者が最初に覚えるべきなのは速く進むことではなく、水中で息を吐ききる感覚であり、ここが曖昧なまま泳ぎ始めると息継ぎのたびに慌てて首や肩に力が入りやすくなります。
JSSの呼吸練習の解説でも、水中で自然に鼻から息を出せることが後の泳ぎを滑らかにすると示されているように、まずは壁を持って顔をつけ、ゆっくり吐いてから顔を上げる反復だけでも十分に意味があります。
この段階では、吸うことを頑張るより、水の中で止めずに吐き続けることを優先したほうがうまくいきやすく、口や鼻から細く長く吐けるようになると、顔を上げた瞬間に短く吸うリズムが自然に作りやすくなります。
顔をつける時間は3秒から5秒ほどでも十分なので、苦しさが出る前に区切り、10回から15回を1セットとして慣れてきたら連続回数を増やすほうが、無理に長く潜るよりも初心者には続けやすいです。
けのびで一直線の姿勢を覚える
クロールが進まない原因の多くは腕力不足ではなく姿勢の崩れにあるため、初心者は泳ぐ前にけのびで水面を滑る感覚を覚え、体を一直線に保つ土台を作る必要があります。
JSSのクロール解説でも、最初に浮きやすく進みやすい姿勢を作ることが強調されており、軽くあごを引いて耳の横に腕を置き、頭を上げすぎずに水面へ体を預ける意識が基本になります。
壁を蹴った直後に腰や脚が沈む人は、視線が前に向きすぎていたり、腕の間に頭が入っていなかったりすることが多いため、前を見るよりも真下から少し前を見る感覚に修正すると姿勢が整いやすくなります。
けのびは派手さのない練習ですが、ここで5mほど静かに滑れるようになると、その後のキックやストロークで余計な抵抗を作りにくくなり、少ない力でも前へ進む感覚が一気につかみやすくなります。
壁キックで太もも主導のバタ足を身につける
バタ足の基本は膝からバタバタ動かすことではなく、太ももの付け根から小さく連続して動かし、足首をやわらかく保ったまま水を後ろへ押すことです。
文部科学省の資料でも、ももから足を動かして水を後ろへ押すことや、親指が触れ合うようにキックすることが示されており、初心者は大きく蹴るより小さく止めないことを優先したほうが崩れにくいです。
壁を持ってキックをするときは、へそを水面に近づける意識を持ち、膝が水面から飛び出すほど曲がっていないか、逆に足全体が棒のように固まっていないかを確認すると修正点が見えやすくなります。
最初から強く蹴ろうとすると太ももがすぐに疲れるので、20秒から30秒の短い反復を数セット行い、泡が細かく後ろへ流れる感覚をつかんでから時間を延ばしたほうが、フォームを崩さずに上達しやすいです。
ビート板キックで進みながら姿勢を保つ
壁キックで足の動きがわかってきたら、次はビート板を使って前進しながら姿勢を保つ練習へ進み、動きが増えても腰が落ちない状態を目指します。
このとき初心者がやりがちなのは、ビート板に体重をかけすぎて上半身を持ち上げてしまうことであり、板はしがみつく道具ではなく、軽く手を添えて進行方向を安定させる補助具だと考えたほうが扱いやすいです。
頭が上がると脚が沈み、脚が沈むとさらに強く蹴って疲れる悪循環に入りやすいので、呼吸をしないときは顔を下げ、胸から水に乗る感覚を保ちつつ、キックの幅を小さく一定に保つことが重要です。
12.5mを目安にフォームを崩さず進めるようになれば十分な前進であり、距離よりも、板の上で肩がすくんでいないか、呼吸で頭が上下していないかを毎回見直すほうが後の息継ぎにつながります。
片手クロールで腕と呼吸を分けて練習する
クロールが急に難しく感じるのは、両腕を交互に回しながら呼吸も入れるため一度に処理する要素が増えるからであり、初心者には片手クロールで役割を分ける練習が非常に有効です。
JSSの解説でも、サイドキックの後に片手クロールで呼吸とストロークをつなげる流れが紹介されており、まず片側だけで水をかき、反対の手は前に伸ばしたまま姿勢を安定させると動きを理解しやすくなります。
片手クロールでは、かく手を急いで戻すより、水を押し切ってから肩ごと回るように呼吸を入れる意識を持つと、顔だけを無理に上げる癖が減り、息継ぎの瞬間も体の軸を保ちやすくなります。
右だけ、左だけをそれぞれ短い距離で繰り返すと得意不得意がはっきり見えるので、苦手側を避けるのではなく、進みやすい側で感覚をつかんでから苦手側へ移す順番にすると、練習の失敗感がかなり減ります。
サイドキックで息継ぎの角度を安定させる
息継ぎが苦しい人ほど、顔を前に持ち上げて空気を取りにいこうとしますが、クロールの呼吸は前へ起き上がる動きではなく、横向きの姿勢の中で最小限だけ口を出す動きとして覚えるほうが安定します。
U.S. Masters Swimmingの呼吸ガイドでも、呼吸はフリースタイルの土台になる技能として扱われており、サイドで体を乗せる感覚を作ってから吸うほうが、腕と首だけで呼吸しようとする失敗を減らしやすいです。
サイドキックでは、片手を前に伸ばし、反対の腕は体側に置き、耳を前の腕につけるような感覚で横を向きながらキックを続けることで、呼吸時の頭の位置と体の傾きをまとめて学べます。
初心者は呼吸のたびに体が仰向けに近くなりやすいので、口が出る最低限の角度で戻ることを意識し、吸えたかどうかよりも、吸ったあとにすぐ顔を戻せるかをチェックしたほうが実戦で役立ちます。
ノーブレス数ストロークから通常クロールへつなげる
いよいよ通常のクロールに近づける段階では、最初から毎回息継ぎを入れるより、数ストロークは呼吸なしで姿勢と腕の流れを確認してから一回だけ呼吸を入れる組み方が初心者には扱いやすいです。
コナミスポーツクラブの解説でも、伸びている腕を枕にするような意識で横を向き、腕が戻る前に顔を水へ戻すことが紹介されているため、呼吸の瞬間だけを長引かせないことが重要だとわかります。
たとえば三回から五回のストロークを呼吸なしで進み、その後に一回だけ落ち着いて吸う練習をすると、息継ぎのたびに止まる癖が減り、腕のリズムを保ったまま呼吸を入れる感覚がつかみやすくなります。
ここで距離を欲張る必要はなく、まずは12.5mをリズムよく泳げるかを確認し、呼吸回数が少なくても苦しくない姿勢を作れているかを優先すると、25mへの橋渡しがスムーズになります。
初心者がクロールで止まりやすい原因を先に知る

クロールの練習メニューを組んでも伸びにくい人は、練習量が不足しているというより、間違った動きを繰り返してしまい、毎回同じ場所で失速する原因を見落としていることが少なくありません。
初心者の失敗は、沈む、苦しい、進まないという三つに大きく分けられますが、その背景には頭の位置、呼吸の順序、キックの大きさ、腕を急ぎすぎる癖といった共通の原因が隠れていることが多いです。
自分の弱点を先に言語化しておくと、次の練習で何を意識すればよいかが明確になり、ただ距離を泳ぐだけの練習から、直したい課題に合わせてメニューを選ぶ練習へ切り替えやすくなります。
沈むフォームは頭と手の置き方で変わる
下半身が沈む人は脚力不足だと思いがちですが、実際には頭が上がりすぎていたり、前に伸ばした腕が浅すぎたりして、水の上に長く乗る姿勢を作れていないケースがかなり多いです。
とくに初心者は、前を見たほうが安心だからという理由で顔を起こしやすく、その結果として腰が落ち、キックで無理に持ち上げようとして疲れる流れに入りやすいため、まずは姿勢の原因を先に疑うべきです。
- 視線が前へ向き続けている
- 耳の横で腕がそろっていない
- ビート板に体重をかけすぎている
- 呼吸のたびに頭が上下している
- キックで水面をたたきすぎている
これらの項目に複数当てはまるなら、泳ぐ距離を増やすより、けのびとビート板キックへ戻って一直線の姿勢を再確認したほうが修正が早く、上半身の位置が整うだけで脚の沈みはかなり軽くなります。
JSSの下半身が沈む原因の解説でも、呼吸で頭を持ち上げすぎると体が沈みやすいことが示されており、初心者ほど顔を前へ上げる安心感より、水面に体を預ける感覚を優先したほうが結果的に楽に泳げます。
息継ぎ失敗は症状ごとに直す
息継ぎが苦しいと感じる原因は一つではなく、水中で吐けていない、吸う前に顔を上げすぎている、腕のタイミングと呼吸が合っていないなど、症状ごとに修正点が少しずつ異なります。
そのため、ただ息継ぎの回数を増やすのではなく、苦しくなる瞬間を分解して観察し、どこで動きが止まっているのかを整理してからドリルを選ぶほうが、初心者でも短期間で変化を出しやすいです。
| 症状 | 起きやすい原因 | 優先したい修正 |
|---|---|---|
| 吸う前に苦しい | 水中で吐けていない | 壁呼吸で吐く練習を増やす |
| 顔を出しても吸えない | 横向きが浅い | サイドキックを反復する |
| 息継ぎで止まる | 腕を止めている | 片手クロールで流れを作る |
| 沈みながら吸う | 頭を前へ上げている | 顔をすぐ水へ戻す |
| 毎回パニックになる | 距離設定が長すぎる | 12.5mへ区切り直す |
ルネサンスのQ&Aでは、息継ぎは水中で七割ほど吐いたタイミングで吸う意識が紹介されており、吸うことだけに意識を集中させない組み立てが初心者には有効です。
息継ぎの修正では、うまく吸えたかだけで合否を決めず、呼吸後に顔をすぐ戻せたか、腕が止まらなかったか、呼吸のたびにキックが乱れなかったかまで含めて見直すと改善が安定しやすくなります。
急いで回すほど疲れる理由
クロールが苦しい人の多くは、前へ進まない焦りから腕も脚も速く動かしてしまいますが、初心者の段階では回転数を上げても推進力が増えるとは限らず、むしろ抵抗と疲労だけが増えやすいです。
腕を急ぐと、水をつかむ前に次の動作へ入ってしまい、呼吸のタイミングも雑になってしまうため、結果として一かきごとの進みが小さくなり、同じ距離でも余計に苦しく感じるようになります。
キックも同様で、大きく強く打つほど進むわけではなく、泡ばかり増えて前へ押せていないことが多いため、初心者は小さく止めずに打つことと、ストロークの流れを壊さないことを優先したほうが効率的です。
まずは楽なリズムで12.5mを泳ぎ切れることを基準にし、そこから一回の呼吸でどれだけ姿勢を崩さないかを見るようにすると、速さを追いすぎてフォームを崩す失敗を防ぎやすくなります。
初心者向けクロール練習メニューの頻度と1回の流れ
初心者のクロールは、一回ごとに長く泳ぐことより、短い時間でも感覚を切らさずに繰り返すことのほうが上達に直結しやすいため、現実的に続けられる頻度で組むことが重要です。
ルネサンスのQ&Aでは、初心者は週2〜3回、1回30分を目安に練習すると感覚を鈍らせにくいと紹介されており、忙しい人でも十分に再現しやすい基準として使えます。
毎回すべてのドリルを完璧に行う必要はなく、その日の課題を一つか二つに絞って流れを固定しておくと、迷う時間が減り、プールに入ってすぐ練習モードへ入れるようになります。
30〜45分で回せる基本セット
初心者向けの1回メニューは、呼吸確認、姿勢確認、キック、片手クロール、通常クロールという流れにしておくと、毎回同じ順番で土台を整えてから泳げるため、練習の質が安定しやすいです。
長時間のメニューにすると集中力が切れて雑な反復が増えやすいため、短めでも意味のある内容に絞り、今日はどの感覚を持ち帰るのかを明確にしてから始めるほうが初心者には向いています。
- 壁呼吸10回から15回
- けのび5本
- 壁キック20秒を4本
- ビート板キック12.5mを4本
- 片手クロール12.5mを左右各3本
- 通常クロール12.5mから25mを3本
- 最後に楽なリズムで確認泳
このセットなら30分台でも回しやすく、途中で苦しくなってもどの段階へ戻ればよいかが明確なので、無理に最後まで泳ぎ切るよりも、課題に応じて一つ前のドリルへ戻す運用がしやすいです。
泳ぎ込みよりフォームづくりを優先する時期は、通常クロールの本数を減らして片手クロールやサイドキックへ時間を回したほうが、結果として25m達成までの遠回りを減らせます。
週ごとの進め方の目安を表で確認する
初心者は一回ごとの出来不出来に気持ちが振られやすいですが、上達は日単位より週単位で見たほうが現実的であり、数週間の流れで課題を移していくと成長を判断しやすくなります。
毎週のテーマを決めておけば、今日は何となく泳いで終わったという状態を避けやすく、できたことが増えたかどうかを本人が把握しやすいため、独学でも練習が続きやすくなります。
| 期間 | 主な目標 | 重点メニュー |
|---|---|---|
| 1週目 | 水中で吐ける | 壁呼吸とボビング |
| 2週目 | 一直線で滑れる | けのびとビート板キック |
| 3週目 | 片手で呼吸を合わせる | 片手クロールとサイドキック |
| 4週目 | 12.5mを安定させる | 通常クロール短距離反復 |
| 5週目以降 | 25mへ延ばす | 本数管理と呼吸リズム確認 |
もちろん進み方には個人差がありますが、テーマを一段ずつ移す考え方を持つだけで、まだ25m泳げないから失敗だという受け取り方を避けやすくなり、必要な基礎を省略せずに済みます。
文部科学省の資料でも、自分の課題を意識して繰り返し練習することの重要性が示されているため、週ごとのテーマ設定は初心者の練習管理と相性が良い考え方です。
疲れた日に削る順番を決めておく
仕事や学校のあとに泳ぐ日は、毎回フルメニューを完了できないこともありますが、そこで練習を丸ごとやめるより、削る順番をあらかじめ決めておくほうが感覚を切らしにくくなります。
優先順位としては、呼吸確認とけのびのような土台は残し、通常クロールの本数や長い距離の反復から先に減らすと、疲れていてもフォームの確認だけは継続しやすいです。
初心者が疲れた日に無理をすると、顔を上げる、キックが荒れる、呼吸で止まるといった悪い癖を強化しやすいため、量を減らしてでも良い形を守ったほうが次回の練習につながります。
短い日でも壁呼吸、けのび、ビート板キック、片手クロールを少し行えれば十分な積み上げになるので、疲れた日は上達を止める日ではなく、基礎を再確認する日に切り替える意識が大切です。
25mまでつなげるクロール練習メニューの実践例

12.5mまでは何とか泳げるのに25mになると崩れる人は多いですが、その差は根性ではなく、呼吸の回数が増えても姿勢とリズムを維持できるかどうかにあります。
25mを目指す段階では、ただ距離を延ばすより、短い距離で成功率を上げながら呼吸回数を管理し、失敗の原因を切り分けていくほうが、結果として到達が早く安定しやすいです。
文部科学省の資料でも、クロールは25〜50m程度を目安に続けて長く泳ぐことが示されているため、初心者にとって25mは無理な数字ではなく、基礎を積めば十分に現実的な目標と言えます。
12.5mを安定させるメニューから始める
25mに挑戦する前に必要なのは、12.5mを偶然ではなく再現性のある形で泳げる状態にすることであり、半分の距離で安定しないまま延ばしても失敗の原因が見えにくくなるだけです。
この段階では、一本ごとにテーマを決めて泳ぐことが重要で、姿勢、呼吸、キック、腕の流れのどれを確認する一本なのかをはっきりさせると、練習の質が上がりやすくなります。
- 1本目はノーブレスで姿勢確認
- 2本目は1回だけ呼吸を入れる
- 3本目は左右どちらか得意側で呼吸
- 4本目は片手クロールへ戻して修正
- 5本目は通常クロールで再挑戦
- 6本目は楽なリズムで締める
このように通常クロールだけを続けず、修正用ドリルを間に挟むと、苦しくなった原因をその場で整理しやすく、失敗を引きずったまま本数だけ重ねる状態を避けられます。
一本ごとの休憩は長く取りすぎないほうが感覚をつなぎやすいですが、呼吸が完全に乱れているなら無理にすぐ再開せず、落ち着いてから次の一本へ入るほうがフォームを守りやすいです。
25m達成までの到達表を持っておく
25mは一回で突然泳げるようになるというより、12.5mで崩れない、15mで呼吸が乱れない、20mで腕が止まらないという段階を経て近づくことが多いため、途中の目安を持っておくと焦りにくくなります。
距離だけを見ていると小さな進歩を見落としがちですが、呼吸の回数、立ち直りの速さ、キックの乱れ方なども含めて評価すると、実際にはかなり前進していることがわかりやすくなります。
| 段階 | できていれば前進 | 次に足す要素 |
|---|---|---|
| 12.5m | 姿勢が大きく崩れない | 呼吸回数を増やす |
| 15m | 1回の呼吸で止まらない | 腕の流れを一定にする |
| 20m | 後半もキックが続く | 呼吸後の顔戻しを速くする |
| 25m | 完泳後にパニックがない | 再現性を上げる |
| 25m安定 | 2本から3本続けられる | 楽に泳ぐ感覚へ移行 |
達成の基準を完泳だけにすると、たまたま泳げた一本と安定して泳げる状態を混同しやすいため、一本できたあとに同じ形を再現できるかまで見ておくと、本当の意味での上達を判断しやすいです。
初心者が次の目標を決めるときは、25mを一回泳ぐことより、25mを苦しくなりすぎずに二回再現できることを目安にしたほうが、その後のフォーム改善にもつなげやすくなります。
途中で苦しくなったときの立て直し方を覚える
25mに近づくと、どうしても途中で苦しくなる場面は出てきますが、そのたびに腕を止めたり立ってしまったりすると、呼吸が乱れた瞬間に泳ぎ全体が壊れる癖がつきやすくなります。
苦しくなったときほど、次の一回を大きく吸おうとするより、水中でしっかり吐きながら小さく横を向いて吸うほうが立て直しやすく、焦って前を見る動きはかえって沈みやすさを強めます。
また、後半で苦しくなる人は腕だけで進もうとしてキックが止まっていることも多いため、強く打つ必要はないので小さく止めないキックを維持し、体の流れを切らさないことを優先するべきです。
一本の途中で完全に崩れたときは、そのまま根性で押し切るより、次の一本を片手クロールやサイドキックへ戻して修正したほうが学びが大きく、結果として25m達成の近道になります。
独学でもクロールを上達させやすくする工夫
初心者が独学でクロールを練習すると、自分では頑張っているのに何が悪いのかがわからず、同じ癖を繰り返してしまうことがあるため、客観的に確認できる工夫を入れることが重要です。
独学の弱点は判断材料の少なさですが、動画撮影、練習道具の使い分け、必要な場面だけスクールを利用するといった方法を組み合わせれば、自己流でもかなり効率よく課題を修正できます。
上達を早めるコツは高価な道具を増やすことではなく、自分の失敗パターンを早く見つけ、直すべき順番を誤らないことなので、確認手段を持つこと自体が練習メニューの一部だと考えるとよいです。
動画撮影で見るべきポイントを絞る
独学で最も効果が高い工夫の一つは動画撮影ですが、何となく全体を見るだけでは改善につながりにくいため、毎回見るポイントを二つか三つに絞ったほうが実用的です。
初心者が最初に確認したいのは、呼吸で頭が上がっていないか、前の手が水面近くで止まりすぎていないか、キックの幅が大きくなりすぎていないかという三点であり、この三つだけでも修正材料として十分です。
- 呼吸時に顔が前へ出ていないか
- 耳の横で腕が伸びているか
- キックが大きく暴れていないか
- 呼吸のたびに腕が止まっていないか
- 後半で腰が沈んでいないか
撮影したその日に全部直そうとすると情報過多になってしまうので、一本の練習では一項目だけ直す意識で使ったほうが、動きの変化を実感しやすく、独学でも前進が見えやすくなります。
ルネサンスの案内でも自分の泳ぎを客観的に確認できる仕組みの有効性が触れられており、初心者ほど主観と実際の動きに差が出やすいことを意識しておくべきです。
練習道具の使い分けを理解する
ビート板やプルブイのような道具は便利ですが、目的を決めずに使うとフォームを助けすぎたり、逆に癖を強めたりすることもあるため、初心者ほど使い分けの意味を理解しておく必要があります。
道具は万能ではなく、どの課題を切り出すために使うのかが重要なので、道具を持つこと自体が目的にならないようにし、通常クロールへ戻す前提で活用するのが基本です。
| 道具 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| ビート板 | キックと姿勢確認 | 体重をかけすぎない |
| プルブイ | 腕の軌道確認 | 脚を使う感覚が薄れやすい |
| フィン | 前進感覚の補助 | 頼りすぎると自力感覚が鈍る |
| スノーケル | 呼吸を外してフォーム確認 | 通常呼吸への戻しが必要 |
| ゴーグル | 視界確保と安心感 | 曇り対策をして集中を切らさない |
初心者が最初にそろえるなら、まずはビート板と見やすいゴーグルで十分であり、ほかの道具は課題が明確になってから追加したほうが、練習の目的がぶれにくくなります。
とくにビート板は便利な反面、持ち方次第で頭が上がりやすくなるので、姿勢を作るための道具として使い、通常クロールへ戻したときにも同じ頭の位置を再現できるかを必ず確認したいところです。
スクールや個別指導を使う目安を持つ
独学でかなり進められるとはいえ、同じ失敗を数週間くり返している場合や、息継ぎへの恐怖が強くて自力で反復しにくい場合は、短期間でもスクールや個別指導を使ったほうが早いことがあります。
目安としては、けのびやビート板キックはできるのに通常クロールへ入ると毎回パニックになる場合、撮影しても自分で何を直せばよいかわからない場合、左右差が大きく片側だけ極端に苦手な場合は、第三者の目が有効です。
JSSの段階練習やルネサンスの初心者向け情報のように、スクールでは基礎からの分解指導が受けやすいため、数回だけでも課題の優先順位を整理してもらう価値は十分にあります。
最初から長期契約を前提にしなくても、独学で進める部分と教わる部分を分けて考えれば負担は抑えやすく、自己流で詰まった箇所だけを外部の力でほどく使い方でも上達はかなり加速します。
初心者のクロールは順番を守るほど伸びやすい
クロール初心者の練習メニューで大切なのは、いきなり長く泳ぐことではなく、水中で吐く、けのびで浮く、キックで支える、片手で腕と呼吸を合わせるという順番を崩さずに積み上げることです。
沈む、苦しい、前へ進まないという悩みは別々に見えても、実際には頭の位置、呼吸の焦り、キックの大きさ、腕を急ぎすぎる癖が絡み合っていることが多いため、原因を分解して一つずつ直す発想が欠かせません。
練習頻度は週2〜3回、1回30〜45分ほどでも十分に形になりやすく、毎回の流れを固定しておけば、忙しい日でも壁呼吸やけのびのような土台だけは残しながら感覚をつなぎやすくなります。
25mを目指すときも、12.5mの安定、呼吸回数の管理、後半の姿勢維持という段階を踏めば着実に近づけるので、焦って完成形を追うより、今日の一本で何を改善するかを明確にして練習を続けることが上達への最短ルートです。


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