水泳選手練習メニューは目的別に組むのが基本|1週間の設計と実践例までわかる

rear-view-butterfly-swimmer-group-practice-indoor-pool-watercolor 水泳練習メニュー

水泳選手の練習メニューは、強いチームの本数をそのまま写しただけでは成果につながりにくく、同じ3000mでも何を狙って泳ぐのかが曖昧なままだと、努力量のわりにレースで使える力へ変わりにくくなります。

とくに競技者は、泳ぎ込みが足りない不安と、速く泳ぐ練習を入れたい焦りの両方を抱えやすいため、毎回の練習で全部を伸ばそうとしてしまい、結果としてフォームもペースも中途半端になることが少なくありません。

だからこそ大切なのは、その日の目的を先に決めてから、ウォーミングアップ、プリセット、メインセット、ダウンまでを一つの流れとして組み立て、さらに週単位で高強度日と回復日をどう回すかまで設計する考え方です。

この記事では、水泳選手向けに練習メニューを目的別に整理しながら、一回練習の作り方、種目別の調整ポイント、1週間での回し方、記録が伸びないときの修正法まで、実践しやすい形で詳しくまとめます。

水泳選手練習メニューは目的別に組むのが基本

競泳の練習は、今日はたくさん泳ぐ日なのか、レースペースをそろえる日なのか、フォームを整える日なのかを先に分けて考えるほど、一本ごとの意味が明確になり、選手自身も練習中に判断しやすくなります。

反対に、持久力、スピード、技術、乳酸耐性を同じ比重で一回に詰め込むと、どの刺激も薄まりやすく、頑張った満足感はあっても、試合のどの局面が良くなる練習なのかが見えなくなります。

水泳選手の練習メニューを組むときは、まず目的を一つ決め、その目的に必要な距離帯とレストを選び、最後に総距離を整える順番で考えると、練習の芯がぶれにくくなります。

フォーム再現日

フォーム再現日は、速く泳ぐことよりも、理想の姿勢、入水位置、キャッチの感覚、キックの連動を安定して出せる状態を作る日であり、技術修正を水中動作へ結び付けるための土台になる練習です。

この日は、強度を必要以上に上げない代わりに、一本ごとに修正点を確認しやすい設定へすることが大切で、25mから100m程度の反復を使いながら、ドリルとスイムを切り離さずにつなげる構成が向いています。

たとえば、25mで動きを意識し、続く25mで同じ感覚のまま実際の泳ぎへ移す形にすると、練習で理解したことがレース動作へ残りやすくなり、技術練習が単なる確認作業で終わりにくくなります。

フォーム日で注意したいのは、疲労感が足りない不安から本数を増やし過ぎることで、質を守るための日なのに最後は雑な反復へ変わりやすいため、今日は何をそろえる日なのかを一つに絞ることが重要です。

有酸素ベース日

有酸素ベース日は、中長距離選手だけでなく短距離選手にも必要であり、長い練習や連日の高強度へ耐える土台を作る役割があるため、息が上がり切らない範囲で安定した動きを保ちながら距離を積むことが中心になります。

この種の練習で大切なのは、ゆっくり長く泳ぐことではなく、後半に入ってもストローク長や呼吸のリズムを崩さずに泳ぎ続けることであり、フォームが崩れるほど量を増やすと土台作りの効果が薄れやすくなります。

100mから400m程度の反復を使って、ラップのばらつきやストローク数の乱れを小さく保てれば、有酸素練習でも技術の質を落とさずに済み、試合後半での失速防止へつながる下地を作りやすくなります。

短距離選手ほど有酸素日を軽視しがちですが、回復力と練習継続力が弱いままだと高強度日の成功率が落ちるため、切れを失わない範囲で定期的に土台作りを入れるほうが長期的には記録へ結び付きます。

レースペース日

レースペース日は、目標種目の実戦速度を体へ覚え込ませる日であり、単に速く泳ぐのではなく、何秒で入り、どのテンポで維持し、どの程度のストローク数で押し切るかまで含めて再現することが重要です。

この日は、全力一本の結果よりも再現性の高さが価値になるため、目標タイムに対して無理なく成功率を保てる距離とレストへ調整し、狙ったラップを何本そろえられるかで練習の質を判断するべきです。

100m種目なら25mや50mへ分割して目標速度を刻む方法が使いやすく、200m以上の種目なら前半を抑えながらも後半で失速しない流れを確認する設定にすると、レース全体の組み立てが身に付きやすくなります。

レースペース日で避けたいのは、毎回測定会のように追い込み過ぎることで、一本だけ速くても動きが再現できなければ実戦力にはなりにくいため、ラップとフォームの一致を成功基準に置く視点が欠かせません。

最高速刺激日

最高速刺激日は、水中速度の上限を引き上げるための日であり、長く耐える苦しさではなく、短い距離で鋭い反応と加速を出し切ることが価値になるため、本数の多さより一本の鮮度を優先して考えます。

この日は、十分な休息を挟みながら、飛び込み、浮き上がり、ターン後の立ち上がり、ストロークテンポの初速など、レースの勝負所に直結する局面を高い集中力で磨く設計が適しています。

12.5mや25mのダッシュを少本数で行い、タイムだけでなく反応の速さや浮き上がりの滑らかさを確認すると、単に速く泳いだかではなく、何によって速くなったかまで言語化しやすくなります。

最高速日を長く引っ張ると神経系の切れが落ちやすいので、動きが鈍ったまま本数を重ねるより、良い反応のまま終えるほうが効果的であり、見た目の練習量が少なくても十分に価値のある日になります。

乳酸耐性日

乳酸耐性日は、苦しくなった局面でフォームを崩さずに押し切る能力を鍛える日であり、競技者にとって達成感の大きい練習ですが、位置付けを誤るとただ疲れるだけの一日になりやすい難しさがあります。

50mから100m程度の高強度反復を用いて、後半に脚や腕が重くなっても呼吸やキャッチの形を失わないことを目指すと、試合終盤で粘り切る感覚が身に付きやすく、終盤型のレース展開にも強くなれます。

ただし、乳酸を出すこと自体が目的になると、毎回の練習で壊れるまで追い込む発想に傾きやすく、翌日のレースペース練習や技術練習をつぶしてしまうため、週の中での配置まで含めて考える必要があります。

この日の成功は苦しさの大きさではなく、苦しい中でも競技動作として成立していたかどうかにあるため、ラスト数本で完全に崩れるなら、本数やレストを見直すほうが次につながる練習になります。

回復調整日

回復調整日は、追い込みの合間にただ楽をする日ではなく、疲労を抜きながら水感覚とリズムを整え、次の高強度日を成功させるために体を前向きな状態へ戻す役割を持つ重要な練習です。

この日は心拍を上げ過ぎず、ゆったり泳ぐ中で姿勢の伸びやターン動作の丁寧さを確認し、軽いドリルやテンポ確認を混ぜることで、休ませながらも感覚を鈍らせない内容にまとめるのが基本になります。

強化週の後半ほど、もう一度追い込みたくなる気持ちが出やすいですが、回復日を削って無理に負荷を足しても、翌日のメインセットで動きが重くなれば意味が薄いため、回復も練習の一部として扱うべきです。

回復調整日の良し悪しは、練習後にどれだけ疲れたかではなく、入水前より体が軽くなったか、次の高強度へ前向きな感覚が戻ったかで判断すると、目的とのずれが起きにくくなります。

メニューの狙いを言語化する

水泳選手の練習メニューが機能するかどうかは、書いてある本数よりも、選手自身が今日は何を伸ばす日なのかを言葉で説明できるかに左右されるため、狙いの言語化は想像以上に重要です。

とくに集団練習では、同じメニューでも短距離選手と中長距離選手で受け取り方が変わりやすく、ただハードと指示するだけでは狙いがずれるので、成功基準まで共有しておく必要があります。

  • 今日は何を最優先で伸ばす日か。
  • 成功はタイムなのかフォームなのか。
  • どこで練習をやり切ったと判断するか。
  • 崩れ始めたら何を修正するか。

この四つを練習前に確認するだけでも、選手は一本ごとに意図を持って泳ぎやすくなり、ただ与えられた本数を消化する受け身の練習から抜け出しやすくなります。

練習後にも同じ項目を振り返れば、うまくいかなかった原因が量なのか強度なのか判断しやすくなるため、メニュー改善の精度が上がり、毎回の失敗を次へ生かしやすくなります。

負荷設定の目安を持つ

目的別のメニューを使い分けるときは、距離帯、強度感、レスト、成功基準をざっくりでも整理しておくと、同じ言葉でも解釈のずれが少なくなり、選手ごとの調整も行いやすくなります。

とくに競技者は、頑張っている感覚だけで練習の質を判断しがちなので、目的ごとに何を守る日なのかを可視化しておくと、ハードにすべき日と抑えるべき日の線引きがはっきりします。

目的 主な距離帯 強度感 レストの考え方 成功基準
フォーム再現 25m〜100m 低〜中 感覚を保てる長さ 動きの再現
有酸素ベース 100m〜400m 回り切る短め設定 後半の安定
レースペース 25m〜100m 目標速度を守れる長さ ラップの再現
最高速刺激 12.5m〜25m 最高 一本の切れを保てる長さ 速度の鮮度
乳酸耐性 50m〜100m 高〜最高 崩れ幅を見て調整 苦しくても維持
回復調整 25m〜200m 無理なく整う長さ 軽さの回復

このような目安表は絶対的な正解ではありませんが、練習後に何がずれたのかを振り返る土台として使いやすく、選手自身が自分に合う負荷帯を見つける手助けになります。

毎回のメニューを感覚だけで組むより、目的と設定の関係を整理しておくほうが修正も早くなるため、調子が良い時期だけでなく停滞期にも崩れにくい練習計画を作りやすくなります。

一回練習を組み立てる流れ

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水泳選手の練習メニューは、今日の主目的が決まったら、次にその目的へ自然につながる流れを作ることが大切で、いきなりメインセットだけを書くより、序盤から終盤までの役割分担を考えたほうが質が安定します。

とくに競泳では、アップで体が起きていないまま速いセットへ入ると、狙うべき速度が出ないだけでなく、無理に帳尻を合わせようとしてフォームが崩れやすくなるため、準備段階の設計が想像以上に重要です。

一回の練習は、体を起こす段階、動きをつなぐ段階、主目的を達成する段階、整えて終える段階の四つに分けて考えると、練習全体の意味が見えやすくなります。

ウォーミングアップの作り方

ウォーミングアップは、距離を消化する時間ではなく、体温、可動域、呼吸、ストローク感覚を段階的に上げ、メインセットで必要になる動きへ無理なく接続するための準備時間です。

アップの質が低いと、主練習に入ってから何本かを準備に使うことになり、限られた本数の中で本当に狙いたい刺激を十分に入れられなくなるため、短くても意味のある内容にする必要があります。

一般的には、ゆっくり泳いで体を温めるだけで終わらせず、キック、プル、ドリル、ビルドアップを適度に混ぜて、心拍と神経の両方を少しずつ上げていくと、その後のセットへ移行しやすくなります。

アップで疲れ過ぎるのも問題ですが、楽過ぎて体が眠ったままなのも同じくらい非効率なので、終わった時点で軽く汗ばみ、水をつかみやすい感覚が出ているかを確認すると精度が上がります。

プリセットの置き方

プリセットは、メインセットの前に動きと意識を合わせるための橋渡しであり、ここが上手く機能すると、主練習の一本目から狙った速度やフォームへ入りやすくなります。

プリセットの内容は主目的に合わせて変えるべきで、レースペース日ならテンポとラップ感覚を合わせる内容が合い、フォーム日なら修正したい動作を短い反復で確かめる内容が向いています。

  • テンポを少しずつ上げる反復を入れる。
  • 目標ストローク数を先に確認する。
  • ターン後の浮き上がりだけを切り出す。
  • 短い距離で狙いの速度を一度触る。

プリセットがあることで、メインセットの難度が高い日でも身体が驚きにくくなり、一本目から無駄な失敗を減らせるため、少ない距離でも練習全体の成功率を大きく高められます。

逆に、何となく本数を足すだけのプリセットは本番の質を奪うだけなので、主練習で出したい動きを一つ先に体へ思い出させるという役割を忘れないことが大切です。

メインセットの設計ポイント

メインセットは、その日の主目的を最も強く達成する時間であり、距離、本数、レスト、成功基準が一つの方向へそろっているほど、練習後に得られる手応えも明確になります。

本数を増やすか、距離を伸ばすか、レストを削るかを感覚で決めると、狙った刺激から外れやすくなるため、まず今日は何を成功と見なすのかを定め、その条件を守れる設定へ組み立てることが必要です。

主目的 設計で重視する点 増やしやすい要素 増やし過ぎに注意する点
フォーム 再現性 短い反復回数 疲労による崩れ
有酸素 後半の安定 距離や総本数 テンポ低下
レースペース 目標ラップ 成功本数 無理な短レスト
最高速 一本の切れ 休息の質 本数の引き延ばし
乳酸耐性 終盤の維持 高強度反復 崩壊するまで追うこと

このように設計の焦点を整理しておくと、練習中に調整が必要になっても何を守るべきかが分かりやすく、途中で本数を減らしても練習価値を失いにくくなります。

メインセットの成否は、終わった後の疲労感だけでは判断できないため、目標ラップ、フォーム、テンポ、ストローク数のどれが守れたかを振り返る習慣を持つことが重要です。

種目別に調整する考え方

同じ水泳選手でも、50m自由形と400m個人メドレーでは求められる能力の比率が大きく異なるため、同じチームメニューをこなしていても、どの部分を自分の種目へ結び付けるかまで理解している選手ほど伸びやすくなります。

種目別調整の基本は、専門種目で勝負を分ける局面を見極め、その局面を改善するために、距離帯、レスト、成功基準を少しずつ変えることにあります。

全員が同じ設定で同じ感覚を得る必要はないので、自分の主戦場に照らして練習の使い方を考える視点を持つことが、選手としての成長を早めます。

短距離種目の調整

50mや100mを主戦場にする選手は、最高速、リアクション、浮き上がり、ターン後の加速など、一瞬の質が結果へ強く影響するため、長い距離の我慢比べより、切れのある反復を軸に練習を設計するほうが効果的です。

ただし、速い動きだけを追い続けると、練習の再現性や回復力が足りずに連日の質が落ちやすくなるため、短距離選手でも有酸素の土台とフォームの安定を軽視しないことが必要になります。

短距離のメニューでは、長いセットを頑張り切ることより、一本目から高い速度を出せる鮮度を保つことが重要で、疲れたまま本数を重ねるより、動きが鈍る前に切り上げたほうが効果が残りやすくなります。

短距離選手が停滞しやすい原因は、常に全力に近い練習で切れを失うことなので、速い日と整える日を明確に分け、最高速の記憶を消さない構成へすることが大切です。

中長距離種目の調整

200m以上を主戦場にする選手は、後半で失速しないペース耐性と、長く泳いでも崩れないフォーム保持が重要になるため、有酸素ベースとレースペースの比重を高めに置いた設計が基本になります。

しかし、中長距離だから毎回長く泳げばよいわけではなく、遅いテンポの反復ばかりではレース速度の余裕が育ちにくいため、短い距離でテンポを上げる日も意図的に入れる必要があります。

  • 後半の失速幅を小さくする設定を増やす。
  • ラップのばらつきを減らす反復を使う。
  • 短い距離で速度の上限も保っておく。
  • フォーム維持を成功基準に置く。

たとえば400m自由形なら、100mごとのペース感覚をそろえるセットに加え、ラスト100mを想定した高強度の短いセットを別日に入れると、持久力と勝負所のスピードを同時に底上げしやすくなります。

中長距離選手は距離への耐性があるぶん、無意識に量を増やし過ぎやすいので、ストローク長が短くなっているのに本数だけ続ける状態を避け、質が落ちる前に調整する判断が欠かせません。

個人メドレーの組み替え

個人メドレーの選手は、四泳法を均等にこなすだけでは足りず、どの泳法で流れを作り、どこで落とさず、どこで勝負するのかを考えて練習メニューを組み替えると、レースとのつながりが強くなります。

苦手泳法を量だけで埋めようとすると全体の質が下がりやすいため、苦手区間は技術日で精度を上げ、得意泳法はレースペースや終盤設定で武器として伸ばすように役割分担を明確にすることが重要です。

泳法 重視しやすい課題 入れたい刺激 見直したい失敗
バタフライ 前半の余裕 テンポ管理 力み過多
背泳ぎ 姿勢維持 キック連動 蛇行
平泳ぎ 推進効率 リズム反復 止まり過ぎ
自由形 終盤維持 後半型セット ストローク短縮

このように泳法ごとの役割を整理すると、メドレー練習が単なる四泳法の消化ではなく、レース全体を前に進めるための準備へ変わり、弱点補強と強みの伸長を両立しやすくなります。

個人メドレーで結果を出す選手ほど、苦手克服だけに偏らず、得意泳法でどれだけ流れを引き寄せるかまで考えているため、全体設計の視点を持つことが重要です。

1週間で回す練習計画

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一回の練習が良くても、週の中で高強度日と回復日が噛み合っていなければ、狙った質の練習を続けられず、いつも少し重い状態で泳ぐことになりやすいため、1週間の流れを設計する視点が欠かせません。

週単位で見ると、どの日に何を伸ばし、どこで疲労を抜き、いつレースペースや最高速を置くかが決まっているほど、練習ごとの優先順位が明確になり、無駄な詰め込みを防ぎやすくなります。

水泳選手の練習メニューは、日々の気分で足し引きするより、最重要練習を中心に前後を組むほうが成果が安定しやすくなります。

高強度日の並べ方

高強度日は連続しても不可能ではありませんが、同じ種類のハードを重ねるとフォームの鮮度が失われやすいため、乳酸耐性の翌日に最高速、最高速の翌日にレースペースのように刺激の性質を少しずつずらす工夫が有効です。

また、追い込みの翌日に完全休養だけを置くのではなく、軽い回復調整日を挟むことで、水感覚を保ちながら疲労を流しやすくなり、次の主練習の成功率を高めることができます。

記録が伸びる選手ほど、ハードの日の出来そのものより、その前日に余計な疲労を残さなかったかを重視しており、強い刺激を入れるための準備日まで含めて一週間を考えています。

高強度日の配置に迷ったら、まず今週で最も大切な一本を一つ決め、その練習が最高の状態でできるように前後を整える考え方を取ると、週全体の組み立てが分かりやすくなります。

1週間の配分例

週の回し方には正解が一つではありませんが、フォーム、持久力、レースペース、最高速、回復の役割を偏らせずに配置すると、記録向上に必要な刺激を過不足なく入れやすくなります。

学生選手は授業や補習、陸上トレーニング、睡眠不足などで疲労が変動しやすいため、毎週同じ型を持ちながらも、その週の大会予定や生活リズムに応じて強弱を調整できる柔軟さが必要です。

曜日 主目的 内容の軸 強度
フォーム再現 ドリルと短い反復 低〜中
有酸素ベース 中距離反復
レースペース 目標ラップの再現
回復調整 軽めの技術練習
最高速刺激 短距離ダッシュ 最高
乳酸耐性 終盤維持の反復
休養または軽調整 体調優先

この配分はあくまで基本形ですが、短距離選手なら最高速の比重を少し上げ、中長距離選手なら有酸素とレースペースの比率を増やすなど、専門種目に合わせて重みを変えると実戦的になります。

毎週この型へ機械的に当てはめるのではなく、最重要種目で不足している能力がどれかを基準に、強調したい日を一つ決めて調整すると、練習計画がより生きたものになります。

疲労管理で見るべき項目

練習メニューが良くても、疲労管理が甘ければ高強度日の質は上がらないため、朝の感覚、アップでの動き、ターン後の伸び、ラップの安定、練習後の回復具合を継続して確認する習慣が必要です。

競泳では、筋肉痛の強さだけでなく、水をつかむ感覚の鈍さやテンポの立ち上がりにくさが不調のサインとして出ることが多いため、数字だけではなく主観的な違和感も軽視しないことが重要です。

  • アップで体が異常に重くないか。
  • 目標ラップへの入りが遅れていないか。
  • ターン後の伸びが短くなっていないか。
  • 練習後にだるさが残り過ぎていないか。

これらを毎日記録しなくても、自分が良い時と悪い時の共通点を言葉にできるだけで、無理に追い込むべき日と抑えるべき日の判断精度が上がります。

疲労管理は甘えではなく、強い刺激を入れるための前提条件なので、感覚の鈍りを無視してメニューを押し切るより、目的に合わせて微調整するほうが最終的な成長は大きくなります。

記録が伸びない時の見直し方

練習量を確保しているのに記録が伸びないときは、努力不足と決め付ける前に、そもそもメニューの狙いと現在の課題が噛み合っているかを冷静に点検することが大切です。

停滞の原因は、量の不足よりも、目的の重複、回復不足、種目特性とのずれ、成功基準の曖昧さにあることが多いため、全部を変えるのではなく優先順位を付けて修正する必要があります。

水泳選手の練習メニューは、頑張った事実が大きいほど変えにくくなりますが、伸びない時ほど勇気を持って整理し直すことが次の成長につながります。

量だけ増やす失敗

記録が止まると距離を増やしたくなりますが、量の上積みは最も分かりやすい修正である一方で、最も雑に使われやすく、疲労ばかりが残ってレースペースも最高速も中途半端になる危険があります。

とくに集団練習では、周囲が頑張っている雰囲気に引っ張られて必要以上に泳ぎやすく、狙った刺激を入れ終えた後まで惰性で本数を足すと、翌日の主練習の質まで落としかねません。

距離を増やす前に確認したいのは、今の練習で本当に刺激が不足しているのか、それとも評価方法が曖昧で変化を見逃しているだけなのかという点で、まずは成功基準の整理が先になります。

量を増やす修正が有効なのは、有酸素の土台や技術反復が明らかに足りていない場合に限られることが多く、スピードや終盤の崩れが課題なら、先に質と配置を見直したほうが合理的です。

修正の優先順位

メニューの見直しは、思い付いたところから変えると原因が分からなくなりやすいため、主目的、週配置、レスト、量、補助内容の順で大きい要素から確認すると、問題の核心を捉えやすくなります。

小手先のセット変更で解決しない場合は、そもそもその練習が今の時期に必要かどうかまで疑うことが大切で、設計全体の方向がずれていれば、細部を磨いても記録へつながりにくくなります。

見直し順 確認すること ずれた時の症状 修正の方向
1 主目的 練習の芯がない 狙いを一つに絞る
2 週配置 常に重い 回復日を挟む
3 レスト 質が出ない 休息を調整する
4 後半に崩れる 本数を減らす
5 補助内容 修正が定着しない ドリルを絞る

この順番で見直すと、必要最小限の変更で練習の質を立て直しやすく、毎週すべてを作り直さなくても改善を積み重ねられるため、選手自身がメニューを理解しながら成長しやすくなります。

停滞期ほど焦って全部を変えたくなりますが、優先順位を守って修正したほうが、どの変更が効いたのかを把握できるので、次に同じ壁へ当たったときにも対応しやすくなります。

試合前にやり過ぎないコツ

試合前は不安から練習量を増やしたくなりますが、直前期ほど必要なのは能力の上積みより再現性の確認であり、疲労を抱えたまま大会へ入ると、せっかく積み上げた切れやフォームを出し切れなくなります。

とくに調子が上がらない時ほど最後に追い込みたくなるものですが、試合前に必要なのは失敗の記憶を増やすことではなく、レースで使うテンポとラップを気持ち良く体へ残すことです。

  • 直前に総距離を急増させない。
  • レースペースの成功率を優先する。
  • 新しい修正点を詰め込み過ぎない。
  • 疲労感を安心材料にしない。

大会前の練習では、楽だったか苦しかったかより、当日に出したい泳ぎが再現できたかを評価基準にすると、不安に引っ張られたやり過ぎを防ぎやすくなります。

試合直前に自信を作るには、頑張り切った感覚より、狙ったテンポで泳げた感覚のほうが役に立つので、最後の数日は積み上げた力を整えて引き出す時間と捉えることが重要です。

狙いが明確な練習表が記録を押し上げる

水泳選手の練習メニューは、距離を埋めるための一覧表ではなく、その日に伸ばしたい能力と週全体の流れを結び付ける設計図として作るほど、一本ごとの意味がはっきりし、試合で使える力へ変わりやすくなります。

フォーム、有酸素、レースペース、最高速、乳酸耐性、回復調整を目的別に分けて考え、距離や本数は狙った質が残る範囲で決め、レストは刺激の性質を決める要素として扱うことで、練習の再現性は大きく高まります。

さらに、短距離か中長距離か、メドレーか単種目かといった種目特性に合わせて少しずつ調整し、高強度日と回復日を1週間の中でうまく循環させることができれば、毎日の練習がばらばらの努力ではなく一つの成長線へつながります。

記録が伸び悩んだ時も、量だけを足すのではなく、主目的、週配置、レスト、量の順に見直していけば、自分に必要な刺激だけを残しやすくなるため、練習メニューは消耗の原因ではなく、記録を押し上げる武器になります。

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