クロールで長く泳ぎたいのに、25mを過ぎたあたりで急に息が苦しくなる、脚が沈んで重くなる、腕だけが先に疲れてしまうという悩みは、水泳初心者だけでなく、自己流で練習している人にもとても多く見られます。
このときに大切なのは、単純に体力不足だと決めつけて泳ぎ込むことではなく、姿勢、呼吸、キック、ストローク、力配分のどこで無駄が出ているかを見つけ、苦しくなる原因を一つずつ減らしていくことです。
実際には、長く泳げる人ほど腕力に頼っていないことが多く、水の抵抗を増やさない水平姿勢、水中で先に吐く呼吸、脚を使いすぎないキック、急がないストローク、飛ばしすぎない入り方をそろえることで、同じ体力でも泳げる距離が大きく変わります。
この記事では、クロールで長く泳ぐコツを知りたい人に向けて、最初に押さえるべき結論、息継ぎで失速しないための考え方、100m以上につなげる練習メニュー、よくある失敗の直し方、継続して伸びる人の習慣までを、初心者にも実践しやすい順番で詳しく整理します。
クロールで長く泳ぐコツは姿勢と呼吸と力みを減らすこと
クロールを長く泳ぐうえで最優先にしたいのは、強く水をかくことではなく、余計な抵抗と無駄な力みを減らし、少ないエネルギーで前へ進める形を作ることです。
長く泳げない人は、進む力が足りないというより、顔を上げる、息を止める、キックを打ちすぎる、腕を急いで回す、最初から飛ばすといった原因で、自分から疲れやすい泳ぎ方を作っていることが少なくありません。
そのため、距離を伸ばしたいなら、腕力の強化より先に、姿勢、呼吸、ストローク、キック、ペース配分の土台を整えることが近道になり、25mで苦しくなる人でも感覚が合えば50m、100mへと段階的に伸ばしやすくなります。
頭からかかとまでを一直線に近づける
クロールで長く泳ぐ最初のコツは、頭からかかとまでをできるだけ一直線に近づけて、水の上を平らに滑る時間を増やし、余計な抵抗を作らないことです。
顔が前を向きすぎたり、胸が反ったり、顎が上がったりすると、腰と脚が沈みやすくなり、本人は普通に泳いでいるつもりでも、実際には毎ストロークで重い水を押し分ける形になって消耗が大きくなります。
とくに25mを超えたあたりで急に脚が重くなる人は、キックの弱さよりも頭の位置が高いことが原因になっている場合が多く、目線をプールの底へ向けて首の後ろを長く保つだけでも泳ぎの軽さが変わります。
水の中では少しの角度の差が抵抗の差に直結するため、速さを出そうとする前に、けのびの延長のような水平姿勢を保てているかを最初に確認すると、長く泳ぐための土台が作りやすくなります。
この意識は初心者だけでなく、50mまでは泳げるのに100m以上になると崩れる人にも有効で、疲れてきたときほど頭が上がりやすいことを覚えておくと、途中で立て直しやすくなります。
水中で先に吐いて呼吸を詰まらせない
長く泳げない人の多くは、吸うことばかりを意識して水中で息を止めてしまい、顔を横へ向けた短い瞬間に吐くことと吸うことを同時にやろうとして、呼吸全体が慌ただしくなっています。
クロールの息継ぎは、顔を出している時間が短いからこそ、水に顔をつけている間にすでに呼気を始めておくことが重要で、先に吐けていれば吸う動作は短くても十分に間に合います。
うまくいかない人ほど大きく吸わなければ苦しくなると思いがちですが、実際には吸う量の問題より、古い空気が体の中に残り続けることのほうが苦しさの原因になりやすく、水中でゆるやかに吐くほうが呼吸は安定します。
鼻から少しずつ吐く方法でも、口と鼻を併用する方法でもかまいませんが、顔を水につけた直後から呼気を始める習慣をつけると、息継ぎのたびに焦りにくくなり、長い距離でもリズムを保ちやすくなります。
苦しくなったときほど吸おうとして顔を上げがちですが、本当に見直すべきなのは吸気より呼気のタイミングであり、ここが整うだけで25mごとの疲労感が大きく変わる人は少なくありません。
息継ぎでは頭を持ち上げず横へ回す
クロールで長く泳げない人の息継ぎを観察すると、口を出そうとする意識が強すぎて頭を前上方へ持ち上げてしまい、そのたびに腰と脚が沈んでブレーキをかけていることがよくあります。
理想的な呼吸は、体のローリングに合わせて頭も横へ回し、水面のすぐ横で口を開ける形で行うもので、上へ起き上がる動作を減らすほど姿勢もリズムも崩れにくくなります。
初心者はしっかり顔を出さないと吸えないと感じやすいのですが、実際には片目と頭頂部の一部が水に残るくらいでも息は吸えることが多く、むしろそのほうが姿勢の安定につながります。
コツは、伸びている側の腕を枕にするように頬を近づけ、体の横回転に乗って呼吸することで、首だけをひねって無理に吸わないことにあります。
呼吸のたびに進みが止まる人は、吸う量を増やすより、頭を高く上げないことを最優先で修正したほうが、結果として長く楽に泳げるようになります。
キックは推進より姿勢維持の役割で使う
長く泳ぎたい場面で脚を強く速く打ち続けると、太ももの大きな筋肉を使いすぎて心拍が上がりやすくなり、25mから50mの早い段階でも苦しさが増してしまいます。
もちろんキックは重要ですが、距離を伸ばす局面では主役として前へ進むために使うより、脚が沈まないように姿勢を支え、上半身のリズムを助けるための補助として考えるほうが泳ぎ全体が安定します。
そのため、短距離のような強いキックではなく、振り幅を小さくして股関節からしなるように打ち、膝だけで水をたたかないことが、脚の無駄な疲労を防ぐうえで大切です。
脚が先に重くなる人は、もっと強く打つことより、目線を下げて水平姿勢を整えたうえで、キックの回数と強さを少し控えめにしてみると、意外なほど楽に距離がつながることがあります。
長く泳げる人は脚を使っていないのではなく、必要な場面だけで効率よく使っており、常に全力で動かしていないという点を理解すると、力の入れ方を見直しやすくなります。
腕は急いで回さず前に乗る時間を作る
距離を伸ばしたい人ほど止まりたくない気持ちが強くなり、腕を速く回せば楽になると思ってしまいますが、実際には回転数だけを上げると呼吸が忙しくなり、フォームも浅くなって余計に疲れやすくなります。
クロールで長く泳ぐには、入水した手をただ前へ置くだけではなく、反対側のストロークが始まるまでのわずかな時間に体重を前へ乗せ、一かきごとにしっかり伸びる感覚を作ることが重要です。
この伸びがあると、同じストローク数でも進む距離が増えるため、必要以上に腕を回さなくても前へつながり、肩まわりの疲労も軽くなります。
逆に腕を急ぎすぎると、呼吸をするときにさらに慌てやすくなり、水を押さえる前に次の動作へ移ってしまって、頑張っているのに進まない状態になりやすくなります。
長く泳ぐクロールでは、勢いよく回し続けるより、ひとかきごとの質を上げて前へ乗る時間を確保するほうが、結果として呼吸も距離も安定しやすくなります。
ローリングを使って腕だけで頑張らない
クロールを腕力だけで続けようとすると、肩、前腕、首に余計な力が入りやすく、距離が伸びる前に上半身の局所疲労でフォームが崩れてしまいます。
そこで役立つのが体のローリングで、肩と腰が連動して左右へ適度に回ることで、腕を前に運びやすくなり、呼吸の動作も自然につながるようになります。
ローリングが使えると、腕で水を押すだけでなく、体全体で前へ進む感覚が生まれるため、同じ力でもストロークが重くなりにくく、長距離でも肩が固まりにくくなります。
ただし、回転が大きすぎると横に揺れて進みがぶれるので、横向きに寝るほど回すのではなく、肩と腰が同じ方向へ少し傾く程度の自然な回転を保つことが大切です。
肩がすぐ疲れる人や片側呼吸で体がねじれる人は、腕のかき方だけでなく、ローリングが小さすぎるか大きすぎるかを見直すと、長く泳ぐ感覚がつかみやすくなります。
最初の25mを飛ばさず一定の強さで入る
クロールで長く泳げない原因はフォームだけではなく、泳ぎ始めの力配分にもあり、最初の数ストロークから張り切りすぎると、その後の呼吸とテンポが崩れて一気に苦しくなりやすくなります。
とくに久しぶりの練習や周囲に速い人がいる環境では、本人の感覚以上に強度が上がりやすく、25mでは平気でも50mや100mで急に失速することが少なくありません。
長く泳ぐ日は、出だしを七割程度の感覚に抑え、呼吸が乱れないテンポ、小さめのキック、長めのストロークを最初から最後までそろえるほうが、最終的な到達距離は伸びやすくなります。
前半で余裕を残すことは消極的に見えるかもしれませんが、実際には後半の失速を防ぐ最も合理的な方法であり、100m以上を目指す人ほど重要な考え方です。
一本目の速さで満足するより、最後まで同じフォームで泳ぎ切ることを目標にすると、長く泳ぐための配分感覚が身につきやすくなります。
息継ぎで失速しないフォームを身につける

クロールで長く泳ぐために呼吸は避けて通れない要素ですが、苦手意識が強い人ほど、吸う瞬間だけに意識が集中してしまい、呼吸動作全体の流れが見えなくなりがちです。
しかし、息継ぎは特別な技術というより、水中で吐くこと、体が回ること、口元が水面へ来ること、短く吸うこと、顔を戻すことが連続して起こる一つの動作として理解すると整理しやすくなります。
ここを順番で身につければ、息継ぎのたびにブレーキをかける泳ぎから抜け出しやすくなり、少ない力でも呼吸とストロークがつながるクロールへ近づけます。
呼吸の動作は一連の流れとして覚える
息継ぎが苦しい人ほど、呼吸を独立した大きなイベントのように感じていますが、実際にはストロークの途中で自然に行われる一連の流れとして捉えたほうが、動きは安定しやすくなります。
水中で先に吐き始め、体が横へ回る流れの中で口元だけを水面へ出し、短く吸ったらすぐ顔を戻すという順番がつながっていれば、呼吸のたびに大きく頑張る必要はありません。
- 顔を水につけた直後から呼気を始める
- 体のローリングに合わせて頭も横へ回す
- 口だけを水面へ近づけて短く吸う
- 吸い終えたら止めずにすぐ顔を戻す
- 戻した瞬間から次の水中呼気へ入る
この流れを一本の動作として覚えると、呼吸のたびに慌てる感覚が減り、腕や脚のリズムも崩れにくくなるため、長い距離でも安定して泳ぎやすくなります。
逆にどこか一つだけを強く意識しすぎると、頭を上げる、腕が止まる、息を止めるといった別の失敗を招きやすいので、全体の流れで理解することが重要です。
苦しさの症状ごとに原因を分けて直す
呼吸が苦しいと感じても原因は人によって異なり、何となく息継ぎが苦手だとまとめてしまうと、練習で直すべき点がぼやけて改善が遅くなります。
たとえば、吸っても苦しい人、水を飲みやすい人、呼吸のたびに沈む人、腕が止まる人では、見直したい動作がまったく違うため、症状から原因を切り分けることが大切です。
| 起こりやすい症状 | 考えやすい原因 | 優先して直したい点 |
|---|---|---|
| 吸っても苦しい | 水中で吐けていない | 顔をつけた直後から呼気を始める |
| 呼吸で沈む | 頭を前上方へ持ち上げている | 横へ回して片目を水中に残す |
| 腕が止まる | 呼吸だけに意識が偏っている | 伸びている腕で前に乗る感覚を保つ |
| 水を飲みやすい | 顔を戻すのが遅い | 吸い終えたらすぐ水中へ戻す |
このように症状ごとに整理すると、自分が何を直せば楽になるのかが明確になり、ただ苦しいだけの練習から、改善の手応えを感じる練習へ変えやすくなります。
距離が伸びないときほど原因を一つに絞る視点が重要で、呼吸の問題を細かく分けて考えることが、結果として最短の上達につながります。
2ストローク呼吸と3ストローク呼吸を使い分ける
クロールで長く泳ぐには3ストロークごとの両側呼吸が正解だと思われがちですが、実際には今の自分が安定して続けられる呼吸パターンを選ぶことのほうが大切です。
2ストロークごとの片側呼吸は酸素を取り込みやすく、初心者がまず距離を伸ばしたい段階ではとても有効で、息切れを抑えながらリズムを作りやすいという利点があります。
一方で3ストローク呼吸は左右差を減らしやすく、片側だけに頼って体がねじれる癖を見直したいときや、フォームのバランスを整えたいときに役立ちます。
つまり、長く泳ぐ練習の日は2ストローク呼吸で楽に続け、ドリルやフォーム確認の日は3ストローク呼吸を入れて偏りを整えるというように、目的に応じて使い分けるのが現実的です。
呼吸パターンを固定しすぎず、自分の体力と練習意図に合わせて選べるようになると、距離もフォームも両立しやすくなります。
ストロークとキックを省エネ仕様に整える
長く泳ぐクロールでは、見た目の大きさや勢いより、少ない力で前へ進み続けられる効率が重要になり、同じフォームに見えても疲れやすい泳ぎと楽な泳ぎの差はここで大きく分かれます。
とくに自己流の人は、腕を速く回すことと脚をたくさん打つことが頑張っている証拠になりやすいのですが、持久的に泳ぐ場面では、その頑張りがそのまま消耗に変わっている場合があります。
ここでは、ストローク数を減らしながら進む感覚、脚を使いすぎないバランス、疲れにくいテンポの考え方を整理し、長く泳ぐための省エネ設計を確認します。
一かきで進む距離を伸ばす意識を持つ
長く泳ぐ人はストロークの回転数だけで距離をつないでいるのではなく、一かきごとにどれだけ前へ乗って進めるかを大切にしているため、見た目ほど慌ただしくありません。
入水した手が前方でしっかり伸び、反対側の手が押し切るまで体が流れに乗れていると、ストローク数が減り、腕を何度も急いで回さなくても一定の速度を保ちやすくなります。
- 入水した手をあわてて引かない
- 前に伸びる時間を少し作る
- 反対側の押し切りまで姿勢を崩さない
- 呼吸をしても伸びを失わない
- 一かきごとに体が前へ滑る感覚を探す
この意識があると、回転数を上げなくても距離がつながるため、肩や前腕の疲労が軽くなり、結果として呼吸も落ち着いて長く泳ぎやすくなります。
速く腕を回すことは否定しませんが、距離を伸ばす段階では、まず一かきでどれだけ前へ進めるかを優先したほうが、少ない力で泳げるフォームを作りやすくなります。
キックの強さは距離に合わせて調整する
キックは強いほどよいと思いやすいものの、長く泳ぐクロールでは、距離に対して脚を使いすぎると心肺も筋肉も先に苦しくなり、後半のフォーム崩れを招きやすくなります。
そこで重要なのが、距離や目的に合わせてキックの強さを調整する視点で、常に同じ強度で打つのではなく、姿勢を保てる最低限に近づけることです。
| 目的 | キックの考え方 | 意識したいこと |
|---|---|---|
| 25mの基礎練習 | やや多めでもよい | 脚が沈まない感覚をつかむ |
| 50mから100m | 小さく一定に打つ | 姿勢維持を最優先にする |
| 100m以上 | 打ちすぎない | 上半身のリズムを邪魔しない |
| 疲れてきた後半 | さらに小さく整える | 無駄な力みを増やさない |
脚が沈む不安からキックを増やしたくなる人ほど、まず頭の位置と姿勢を整えたうえで、それでも必要なぶんだけ脚を使うという順番を意識すると省エネになります。
距離が伸びるほど脚の使い方が泳ぎ全体の燃費に直結するため、脚で頑張り切るのではなく、脚で崩れを防ぐという考え方に切り替えることが大切です。
テンポは速さより崩れないリズムを選ぶ
長く泳ぐクロールでは、テンポを速くすれば進み続けられるわけではなく、自分が呼吸とストロークを崩さず維持できる回転数を見つけることのほうが重要です。
テンポが速すぎると、水中で吐く時間が足りなくなり、前へ伸びる感覚も減り、呼吸のたびに慌てるため、短い距離では勢いで持っても長い距離では失速しやすくなります。
反対に遅すぎても失速感が出て水を支えにくくなるため、楽に吸えて、前に乗れて、脚が暴れないリズムを探すことがポイントになります。
目安としては、25mの後半でも息が上がりすぎず、50mの後半でも腕が詰まらず、呼吸のたびに頭を持ち上げなくて済むくらいのテンポが、距離を伸ばす練習には合っています。
自分に合うテンポを見つけると、無理に頑張らなくても同じフォームを保てる時間が伸びていき、その積み重ねが100m以上を泳ぐ力へ変わっていきます。
25mから100m以上へつなげる練習メニューを組む

フォームの考え方を理解しても、毎回その場の勢いで限界まで泳ぐだけでは、苦しい泳ぎの再現ばかりが増えてしまい、長く泳ぐ感覚は定着しにくくなります。
距離を伸ばすには、短い距離で良い姿勢と呼吸を保てる成功体験を積み重ね、その成功を少しずつ長い距離へ移していく設計が必要であり、これが独学でも伸びやすい練習の基本です。
ここでは、25mで苦しくなる人が50m、75m、100m以上へ進むときに使いやすい練習の組み方を、無理のない順番で整理します。
初心者は短い反復で成功パターンを増やす
100mを泳げるようになりたいからといって、毎回100mに挑戦して途中で立ってしまう練習を続けると、苦しいフォームと焦った呼吸の記憶ばかりが残ってしまいます。
最初の段階では、25mや50mを無理のない強度で繰り返し、毎本ごとに姿勢、呼気、キック、テンポのどれか一つが最後まで保てたかを確認するほうが、長く泳ぐ技術を定着させやすくなります。
- 25mを4本から6本ゆっくり泳ぐ
- 各本の間は20秒から30秒ほど休む
- 1本ごとに確認点を一つだけ決める
- 崩れたら距離ではなく強度を下げる
- 余裕が出たら50m反復へ進む
この方法なら息が上がり切る前にフォームを整え直せるため、苦しい泳ぎを引き延ばすよりも、長く泳げる感覚を体に残しやすくなります。
距離に挑戦する日は必要ですが、上達の中心は成功率の高い反復に置いたほうが、結果として100m以上へつながりやすくなります。
距離は一気に倍にせず段階的に伸ばす
持久力づくりでは気合いよりも段階設計が大切で、今25mがやっとの人が次にいきなり100mを目指すより、成功しやすい中間距離を積んだほうがフォームも気持ちも安定します。
小さな段階を明確にすると、調子が悪い日でも今の自分に合う練習を選びやすく、無理な挑戦でフォームを壊すリスクを減らせます。
| 現在の目安 | 次の目標 | 練習の考え方 |
|---|---|---|
| 25mで苦しい | 50mを安定させる | 25m反復で最後までフォームを保つ |
| 50mは泳げる | 75mを安定させる | 前半を抑えて後半も呼吸を崩さない |
| 75mは泳げる | 100mを安定させる | 50mの感覚をそのままつなげる |
| 100m前後で乱れる | 200mへ伸ばす | テンポを抑えて一定ペースを覚える |
このように段階を刻むと、前回より25mだけ長く保てたという小さな成長を確認しやすくなり、モチベーションも維持しやすくなります。
泳げる距離が伸びないときは根性が足りないのではなく、段階が大きすぎるだけの場合も多いので、距離の上げ方そのものを見直すことが大切です。
ドリルは本泳ぎにつながる順番で入れる
ビート板キックや片手クロールなどのドリルは効果的ですが、ドリルだけで満足してしまうと、本泳ぎに戻ったときに別の動きへ戻ってしまい、距離を伸ばす力に変わりにくいことがあります。
そのため、ドリルは単独ではなく、直後に短いクロールを入れて同じ感覚を再現する流れで使うことが重要で、これにより練習の効果が本番の泳ぎへつながりやすくなります。
たとえば、横向きキックで呼吸時の頭の位置を確認したら、そのまま25mのクロールで顔を上げない息継ぎを試し、片手クロールで前に乗る感覚をつかんだら、続けて25mをゆっくり泳いで再現します。
この順番で行うと、練習ではできるのに普通に泳ぐと戻るという状態が減り、良い感覚を実際の距離へ移しやすくなります。
長く泳ぐためのドリルは特別な技術を増やすためではなく、今ある泳ぎの無駄を減らして再現性を高めるために使うと、練習の質が上がりやすくなります。
長く泳げないときに見直したい失敗と習慣
クロールで距離が伸びないとき、本人は一生懸命に頑張っているつもりでも、実際には疲れやすい動きを反復していることがあり、そのまま泳ぎ込むほど悪い癖が強くなる場合があります。
しかも、呼吸、姿勢、キック、腕の運び方は互いに影響し合うため、どこか一つが崩れると全部がきつく感じやすく、原因を特定できないまま苦手意識だけが残りがちです。
この章では、初心者や自己流の人がはまりやすい失敗を整理し、どう記録し、どの順番で直すと効率がよいかを確認します。
疲れやすいフォームの共通点を知っておく
長く泳げないフォームにはいくつかの共通点があり、これをあらかじめ知っておくだけでも、練習中に自分の崩れへ気づきやすくなります。
頑張っているのに進まないときは、推進力が足りないより、水の抵抗を増やす動きが混ざっている場合が多く、まずはその典型例を外すことが重要です。
- 顔が前を向いて脚が沈む
- 水中で息を止めて呼吸が忙しい
- キックが大きすぎて脚が先に疲れる
- 腕を急いで回して前に乗れない
- 最初から飛ばして後半に失速する
これらは単独で起こることもありますが、実際には複数が同時に起きていることが多いため、全部を一度に直すのではなく、最も影響の大きいものから順に修正するのが現実的です。
とくに息継ぎのたびに脚が沈む人は、呼吸と姿勢の問題がセットで起きている可能性が高いので、腕のかき方だけを直しても楽にはなりにくいことを理解しておきましょう。
距離だけでなく崩れ方も記録する
上達を判断するときに何m泳げたかだけを見ていると、その日の体調や気分に左右されやすく、本当に改善している点が見えにくくなることがあります。
そこでおすすめなのが、距離に加えて、どこで苦しくなったか、何を意識したら楽だったか、脚と肩のどちらが先に疲れたか、呼吸は何回おきが楽だったかといった崩れ方も記録する方法です。
| 記録したい項目 | 見るべきポイント | 次回に活かす視点 |
|---|---|---|
| 苦しくなった距離 | 25mなのか50mなのか | 配分と練習距離を調整する |
| 先に疲れた部位 | 脚か肩か呼吸か | 修正点を一つに絞る |
| 楽だった意識 | 目線や呼気やキックの強さ | 再現すべき感覚を決める |
| 呼吸パターン | 2ストロークか3ストロークか | その日の目的に合わせる |
感覚を言葉にする習慣があると、自分は後半に頭が上がりやすい、キックを弱めた日は続きやすい、片側呼吸のほうが今は安定するといった傾向が見えやすくなります。
記録は細かすぎる必要はなく、練習後に短く残すだけでも十分効果があり、同じ失敗をただ繰り返す状態から抜け出す助けになります。
直す順番を間違えないことが上達を早める
距離が伸びないときは、手のかき方や肘の角度のような細かな技術に目が向きやすいのですが、初心者が先に直すべきなのは、頭の位置、水中で吐くこと、呼吸で顔を上げないこと、キックの強さ、出だしのペースといった大きな土台です。
この土台が崩れたまま細部ばかり追いかけても、疲れやすさの根本が残るため、努力のわりに距離は伸びにくく、改善している実感も得にくくなります。
順番としては、まず姿勢と呼吸を整え、次にキックとテンポの無駄を減らし、そのうえでストローク効率を高めるという流れにすると、長く泳ぐという目的に対して遠回りしにくくなります。
独学で伸び悩む人ほど、全部を同時に良くしようとして混乱しやすいので、その日の練習テーマを一つに絞り、優先順位の高いところから直す意識が大切です。
上達が早い人は特別な練習をしているというより、直す順番がぶれず、毎回の修正点が明確であることが多いため、この考え方だけでも練習の質は大きく変わります。
25mから長い距離へつなげるために意識したいこと
クロールで長く泳ぐコツは、たくさん頑張ることではなく、水平姿勢を保ち、水中で先に吐き、息継ぎで頭を上げず、キックとストロークを必要以上に急がない形を作って、少ない力で前へ進める時間を増やすことにあります。
25mで苦しくなる人でも、原因を体力不足だけにせず、頭の位置、呼気のタイミング、キックの強さ、前半の飛ばしすぎといった無駄を一つずつ減らしていけば、同じ体力のままでも50m、100mへ伸びる可能性は十分にあります。
練習では、短い距離で成功するフォームを繰り返し、距離は一気に増やさず段階的に伸ばし、毎回のテーマを一つに絞って再現性を高めることが大切であり、この積み重ねが苦しくないクロールを作ります。
長く泳げる人は特別な才能があるわけではなく、姿勢、呼吸、力配分の三つをそろえながら、崩れそうな瞬間に小さく立て直すのが上手なだけなので、まずは速さを追うより、最後まで同じフォームを保てる泳ぎを目指してみてください。



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